HLAB 2019リーダーシップ・プログラム(大学生対象のサマースクールの運営を通じてリーダーシップを養うプログラムのこと)の3回目が7月上旬に東京で行われました。
今回は早いもので、サマースクール前最後のリーダーシップ・プログラムとなりました。サマースクールでの感覚を掴むための「疑似体験」ができる企画が多く行われ、「自分らしいリーダーシップ」と向き合う良い機会になりました。
Day 1
1泊2日の合宿の初日は、メンターとして高校生に向き合うときに必要となってくる質問力・傾聴力のコツを理解するためのメンターワークショップが代表理事である高田修太さんより行われました。
また、高校生ケーススタディでは実際にサマースクール中に起こった出来事を元に高校生に対してどのように接するべきなのかをグループに分かれて考えました。
午後には、実際の高校生を迎えて大学生メンターとの座談会を開きました。実際に高校生と話すことで8月までにメンター力において自分が磨く・考えるべきこと、すでにできることを実感する機会になりました。
HLABの理事である竹内さんによる「Wise Leadership」のワークショップではリーダーとして、自分が組織の中でどう動いているか、自分が尊敬しているリーダーたちがどういう風に動いているかを振り返り、自分自身について見つめ直す機会となりました。
Day 2
合宿2日目の午前には、自分の専門を分かりやすく相手に伝えるための練習を大学生同士で行いました。また、アラムナイである佐藤智樹さんと興田嵩晃さんをゲストとしてお呼びし、サマースクールに向けての心づもりについてお話いただきました。サマースクールまでに大学生がメンターとして考えておくべきことが明確になった時間でした。
午後には、HLABの理事である黒川さんによるセッションが行われました。日本の組織や大学の現状についてのお話を通し、大学生が日本にとどまらずに世界に出て活躍することの重要性を伝えてくださいました。
その後、各地域ごとに集まり、これまでの活動の振り返りと今後に向けての確認が行われました。最後には、全員の前で各地域の委員長がサマースクールに向けての熱い思いを語り、全体の一体感がより強くなりました。
高校生参加者も決まり、サマースクールも残り約1ヶ月まで近づいてきました。引き続き最高のサマースクールをつくるために大学生実行委員一同頑張っていきたいと思います。
大学生運営委員の声
八幡泳美 「高校生に一生懸命に向き合い、背中を押す」
Curtin University 1年
広報マーケティング局
今回のリーダーシップ・プログラム研修では、自分らしいリーダーシップを発揮することについて言語化したり、サマースクールの疑似体験となる研修を通して、サマースクールを間近に捉えた今、当事者意識を持って活動できる心づもりができました。
メンターワークショップや高校生ケーススタディ、”Wise leadership”の講義などを通して、私が一番深く考えさせられたことは、メンターシップのあり方についてです。
運営大学生は、HLABという同じ組織で同じサマースクールを運営していますが、高校生に学んで欲しいことやそれをどうやって伝えたいかは、一人一人違う考え方を持っています。しかし異なるバックグラウンド、価値観、考えを持っているいろんな高校生が集まっている中、正しいメンターシップの答えなどないと改めて感じました。
なので大学生同士で、サマースクール中どのように高校生と接するかなどを合わせる必要はなく、一人一人が思うメンタリングの方法で、「高校生に一生懸命に向き合い、背中を押す」という同じ景色をみんなが見ていたら、それは理想のチームなのかなと思いました。
この研修中に、数多くの出会いや交流でヒントを得ながら、「自分にとっての」理想のメンター像というものを明確に想像することができ、サマースクールに向けて大きな一歩を踏み出せたと思います。
私は最年少で、他の大学生の比べると経験と知識はまだ至らないところはあるかもしれません。
メンターワークショップのフィードバックで、論理的に考えることと、相手の話をきくこと、悩みや相談を言いやすい質問をすることが得意だとで言われたので、高校生の悩み、相談、課題、夢を聞いて解きほぐして、一緒に考えて答えを自分の力で導き出す手助けをできるメンターになりたいと思いました。
サマースクールまで、日々試行錯誤しながら準備を進めていますが、「高校生のために」という一つの共通意識を持った多様な仲間と一緒に、全力を尽くしたいと思います。
小澤しおり 「考えのぶつかりあいすら楽しめるように」
一橋大学社会学部 4年
女川 プログラム室
私は元々人と話すのが好きだとぼんやり思っていましたが、最近どうもそれを楽しめなくなっていた自分がいました。就活をしたり、大学に入りたての頃よりは多くの人にあってきたせいか、人との違いから純粋な学びを得ることに対して心が鈍くなっていました。「この人はきっとこういうタイプの人間だろうなー」と。
しかし、今回のLP研修では久々に自分がわくわくしている感覚がありました。竹内理事や黒川理事から伺うお話の刺激は日常的には中々得られないもので、新しい視点を興味深く思うだけでなく、良く分からない部分納得いかない部分を自分の中で咀嚼するのもまた一興に思えました。さらにフリーインタラクションでも少し先を行く社会人の方のお話は数年後の自分を考えさせるものでした。そして、それを総括するリフレクションの時間。同じ経験をしているはずなのに感じるものがここまで多様なのかと、みんなの言葉にいちいち考えさせられているのがとても楽しかったです。
この感覚こそ高校生がサマースクール期間中に味わうべき感覚なのだなと思い出すことが出来ました。HLABの価値はそこに集う人、ということが良く言われますが、集まった状態からどのような感覚を得るかをデザインすることが重要だと感じました。高校生の様々な感情を引き出すために、ゲストにどんな内容を話してもらうのがよいか。一筋縄では理解できないようなことや、賛否両論ある意見をぶつけてもらおうか。リフレクションはどのような場にしようか。同じ空間にいれそれぞれがそんな景色を見ていたか素直に話して欲しいし、その考えのぶつかりあいすら楽しめるようにしたいな。
残りの時間企画の準備をするにあたって、文字通りLAB/実験室らしく、挑戦的な形で大学生/社会人と高校生の関わりを生んでいきたいと思いました。
森本恵 「心と時間に余裕をもった人間でありたい」
国際教養大学国際教養学部 3年
東京 財務局
”理想のメンター像とは” ”大学生スタッフとして在るべき姿とは”
HLAB2019の活動が始まってから、大学生メンター一人ひとりが考え続け、また探し続けていることだと思います。私も、正解のないこれらの問に解を出せずに、ずっと考えてきました。
今回の研修は、メンタリングに重点を置いたWSや、”どういう人でありたいか/になりたいか”考えさせられる講演が多く、一人ひとりが自分にとっての解を見つけるための、大きなヒントが詰まった2日間の研修だったと思います。そして私も、理想のメンター像をより具現化する事が出来ました。
やっとメンター像も定まってきた矢先にメンタリングの難しさを痛感したのが、高校生との座談会。これまで習ってきたメンタリングスキルを初めて実践に移す瞬間でした。
どんな高校生と出会い、どんな悩みが飛び出すのか。緊張しながらも、考え続けてきたメンター像と学んできたスキルを試してみたいと強く意気込んで臨んだ企画。
ですが、実際に高校生を前にすると、やっぱり難しくて。
メンタリングの方法を分かっているのもさることながら、目の前の高校生は相談したい事を明確に持っているのか、それは私に相談したい事なのか、私の知識や経験が何かの助けになる事なのか。そして大前提に、私はこの高校生にとって頼りたいと思える人間なのか。そんな、メンタリングにおいての根本、大切なことにも気づかされました。
そして、今の私が思う理想のメンター像は、正解か不正解化かとか、大きいか小さいかとか、言うべきことかとか。そういうことに関係なく、高校生が抱いた、もやもやして誰かに相談したい想いを、押し殺さずぶつけたくなる、気軽に相談したくなるメンター。
そのために、彼らが私を必要としてくれている時に、彼らを最優先にしてじっくりとメンタリングできる、心と時間に余裕をもった人間でありたい。また、どんな些細なことも重大なことも、成功も失敗も、深く受け止めて、『もう一度頑張りたい』と思ってもらえるような答えを一緒に探すことが出来る、共感の力と思慮深さに長けた人になりたい。
きっとこの理想のメンター像というのは、本番を迎えるまでにまだまだ変化し、改善されていくのでしょうが、3回目の研修を終えた今の私はそう思います。
サマースクール本番、自分の思い描いたメンターであれるように。メンターとして、高校生参加者の未来の可能性を広げ、悩んでいることに対して一緒に解決策を見つけるために、自分がどうあるべきなのか、何が必要なのかを自分の中でさらに考え続けていきたいです。