HLAB 2019リーダーシップ・プログラム(大学生対象のサマースクールの運営を通じてリーダーシップを養うプログラムのこと)の2回目が5月中旬に東京で行われました。
今回は、春季選考で新たに仲間に加わった大学生も参加し、みんなで自分自身の振り返りや、サマースクールを通してどのようなリーダーシップを発揮したいかなどを考えました。
最高のサマースクールを高校生にお届けするために引き続き活動してまいります!
Day 1「自分と向き合う」
1泊2日の合宿の初日は、「自分と向き合う」をテーマに、自己分析を目的とした企画、そしてHLAB 共同設立者・ヘッドコーチでもあるアゴス・ジャパン代表取締役の横山匡さんによるトークセッションが行われました。
自己分析を目的とした企画では、はじめに、自分の価値はどこにあるのか、強みは何か、どのような資質があるかを自分の経験と照らし合わせながら考え、振り返りました。そこで深めた自己分析を今度はチームメイトに共有し、お互いの自己分析を知るということをしました。
横山さんのトークセッションでは、UCLA(University of California, Los Angeles)在籍時代のバスケットボールチームで経験したチームワークとリーダーシップをテーマにお話しいただきました。唯一の日本人メンバーとして何を考え、どのような言葉が今も心に残っているかなどのお話から、サマースクールで活かせそうなヒントを沢山いただきました。
Day 2「自分らしいリーダーシップの仮説を立てる」
二日目は「自分らしいリーダーシップの仮説を立てる」をテーマに、ミニカルチャーショックを体験できるアクティビィティや株式会社リンク・アイ 山田真一郎さんによるワークショップを通してチーム内の「自分」について考えました。
二日目最初の企画である多様性ワークショップでは、他者への理解を深め、意見が異なる人と衝突した際に、どのように解決するかを学びました。アクティビティ後は、グループに分かれて自分が異文化に対してどのような反応をとってしまったのかをお互いに共有しました。
後半には、引き続き山田様とともにチームコラボレーションワークショップを行いました。そこではケーススタディを通して、個人やチームとして大切にしたい価値観を理解した上で、サマースクール中どのような行動を取るべきかを考えました。そして、これらを元に自分のなりたいリーダーシップについて考え、目標やアクションプランを設定しました。
最後に、二日目の振り返り企画としてリフレクションを行いました。ワークショップを通して自分の目指すリーダーシップとは何か、そして自分の目指すリーダーになるためのアクションプランをチームに分かれて共有しました。
サマースクール開催まで残り3ヵ月ですが、最高のサマースクールを作るための準備はまだまだ続きます。
参加した大学生運営委員の声
谷川 功祐 「合意形成を図ることの難しさと大切さ」
国際教養大学 3年
女川 執行局
今回のリーダーシップ・プログラム研修では、自己分析を軸とし、ワークショップや講演、リフレクションを通して、多様性やリーダーシップについて理解を深めました。
実は、研修に参加する以前に困難に直面していました。それは、事前課題として課されていた自己分析でした。自分自身に向き合い、さらにそれを他の人に伝えるという前提のもとに書き出す、という経験はあまりなく、「どう自己分析すればいいのか」「何を書けばいいのか」と悩んだまま、何とか書き上げたワークシートを持って研修に参加しました。
そこで自己理解、自己発信セッションを通して、ほかの大学生運営委員の例を見たことで、過去の経験の徹底的な掘り起しと心情の動きの振り返りが必要だということが理解できました。彼らと話すことで、自己分析が参考になるなと感じた運営委員は今回が初めての自己分析ではなく、出来事が起きた際の心情に着目していました。そこで、私もサマースクールまでには悩みながらも、まずは過去の出来事を思い出し、さらにその際の心情も掘り起こすことで自己分析を深めたいと思います。そして、この経験を活かして、高校生参加者の自己分析を手助けできるようになりたいと思います。
また、私が特に学びが大きかったと感じたのは、株式会社リンク・アイ 山田真一郎さんによるチームコラボレーション・ワークショップでした。このワークショップの一部として、サマースクール中に遭遇すると予想される状況のシミュレーションがありました。シミュレーションでは、高校生参加者からの相談、翌朝の閉会式の準備など、どれもおろそかにできない状況の中で葛藤しながら、どれを優先するのかという結論をチームで出す、ということを行いました。臨場感のある導入の文章で、すっかり入り込んで考えてしまい、実際にこのような状況に遭遇した場合、自分自身はどのような行動をとれば良いのだろうかと頭を悩ませました。結果として、私たちのチームではメンバーごとに大切にしたいものが異なり、一つに決定することができないまま終わってしまいました。これはシミュレーションであったから終わることができましたが、実際のサマースクールではあってはならない事だと感じました。このシミュレーションから、限られた時間の中で、各自がリーダーシップを発揮し、異なる価値観を持つ人々の間で合意形成を図ることの難しさと大切さを学びました。
サマースクールまでの残りの期間も自分自身が学び、成長することで、高校生参加者に対してより良いサマースクールを提供できるように努力していきたいと思います。
田崎汐莉 「完璧な人なんてどこにもいない」
早稲田大学法学部 2年
徳島 広報マーケティング局
今回のリーダーシップ・プログラム研修では、自分の強みやリーダーシップ、そこにどうすれば到達できるのかということについて、ワークや講演、リフレクションを通して、大学生実委員同士で言語化していきました。
その過程で、あることに気づきました。
みんな、何かしら苦手なことがあるということです。
そんなの考えるまでもなく、当たり前だと思われるかもしれません。私自身も、「完璧」な人なんて、世界中どこにもいないと思います。しかし、ワーク中に、普段私が「優秀」だと感じ、憧れていた大学生運営委員のみんなが、過去の挫折や経験に基づきながら自身の理想とするリーダーシップを語っているとき、勝手に自分がみんなを「凄い人」とフィルターをかけてしまっていたことに気づきました。
私はいつも、無意識的に他者の優れているところと自分のそれを比較し、嫉妬し、劣等感を抱きながらも、なんとか追いつこうとしていました。自分にはその相手にはない魅力を持っていて、相手にも苦手なものがあるかもしれないという可能性を想像せず、相手のスキルに追いつくことを目標とし、知らないうちに苦しんでいたのです。
「自分にどんな持ち物(強み)があるのかを正確に知り、その使い方を最大限マスターすること(能力化)が、自分のやりたいことを達成するために重要。」これは、リーダーシップ・プログラム中に講演していただいた横山さんがおっしゃっていたことです。理想や目標へ視線を向ける前に、まずは自分自身ができること、好きなことについて向き合うことの大切さを教えていただきました。
そしてこれは、私の理想とするサマースクールに繋がる言葉にもなりました。
尊敬している人、少し苦手な人、身近な人、気が合わないと思っている人…普段、自分の周りには、様々な関係性の人たちがいます。ですが、その全員が自分にとって学びのある存在になり得るし、自分自身もその人たちに対して伝えられることがあると信じています。そのことをサマースクール中に自ら発信し、参加者全員が自分の強みに自信を持てるようなサマースクールを作りたいと思います。