2021年以来サマースクールを開催して参りました、群馬県でのプログラムは今年度は実施いたしません。コロナ禍で始まったサマースクールでしたが、3年間に亘り、高校生の皆様、保護者の皆様にご愛顧いただいておりましたHLAB GUNMAは、関係自治体の皆様との協議の末、2023年を最後に終了とさせていただきます。
サマースクール終了に寄せたご挨拶
2021年に開始した、群馬県でのサマースクールを終了することになりました。実は私は群馬県の出身で、自分が大学時代に関わり始めたHLABのプログラムを地元群馬で開催し、似たような境遇にある高校生たちに、HLABの学びの機会を届けられた3年間はとても幸せでした。
HLAB GUNMAはコロナ禍に始まり、1年目は完全オンラインでの開催となりました。1年目の代表・副代表を務めたふたりとは、まずはじめに群馬県戦略企画課のみなさまと検討を始めるところから共に歩み始め、対面開催を目指して準備を進める中、結果的にオンラインでの開催となり悔しい思いをしました。2年目は今度こそ対面開催を、と意気込みながら1年目にうまれた群馬のみなさまとの関係性を深めつつ、群馬らしいサマースクールを模索しました。高崎シティギャラリーで開会式を迎えた時、マスクをつけながら、高校生と大学生が目を輝かせていたことを今でも鮮明に覚えています。3年ぶりに暑い夏が帰ってきたと思ったのも束の間、参加者からコロナの罹患が確認され、2日目の夕方で対面プログラムは中止。高校生は全員帰路につきました。中には遠路はるばる徳島から参加してくれていた高校生もおり、本当に残念な形になってしまいました。対面が中止になったあとも、電波のなかなか繋がりにくい山奥から、チーム一丸となってオンラインでサマースクールを継続しようと判断したときには、その場にいた大学生たちに、とてつもない頼もしさを感じました。
そんな悔しい2年間を経て、昨年ようやく完全対面型でのサマースクール開催にこぎつけ、78名の高校生と世界中から集まった45名の大学生、34名のゲストのみなさまとともに、やっとの思いでサマースクールを実現できたことは、私たちにとって本当に嬉しい出来事でした。高校生の中には、2021年、2022年のオンラインプログラムにも参加してくれていて、どうしても対面のプログラムに参加したいという熱い想いを胸に、再チャレンジしてくれた人もいました。
つい先月、HLAB GUNMAの報告会とリユニオンを群馬県内で開催しました。2022年、2023年のプログラムに参加してくれた高校生と大学生が集まり、サマースクールが終わってから今までどんなことがあったか、今自分は何をして、どこに向かっているのか、そんなことをお互いにシェアし合いました。
私たちが大切にする学びのあり方は、身近なロールモデルとの出会いを通じて、世界を広げ、将来に向かって主体的に歩みを進めていくことです。同じ場を共にしていたわけではない高校生と大学生が、年度の壁を超えて当たり前のように交流し、語り合っている姿を目の当たりにし、とても目頭が熱くなりました。そんな瞬間に立ち会えただけでも、なんとか3年間、数多の困難を乗り越えながらこのプログラムを実施してよかったなと心からそう思いました。
群馬県でのサマースクールを開催できないことは、私たちにとっても大変残念なことです。一方で、この3年間で蒔いた種が、これからさまざまな場所で芽吹き、立派に育っていくことを想像すると、楽しみでしかたありません。きっとHLAB GUNMAに関わった全ての高校生・大学生・ゲスト・関係者のみなさまが、それぞれのフィールドでこの経験を糧にしていってくれるだろうと信じています。
これまでにできた群馬県でのネットワークを絶やすことなく、群馬の高校生が引き続き参加できるようなプログラム等も合わせて、継続して価値をお届けできるように工夫していきたいですし、同時に新たな地域でのサマースクールを引き続き開拓し、より多くの高校生の皆さんに価値をお届けできるよう邁進して参ります。
3年という短い時間でしたが、群馬県の始動人育成の一環として、HLAB GUNMA サマースクールを開催できたことを心から嬉しく思います。このサマースクールで参加した高校生たちが、将来の群馬を、日本を、そして世界を先導する力強いリーダーとなってくれることを心から願います。そして彼らが次世代へのバトンをつなぐ場をつくっていってくれることにも大いに期待しています。
改めて、この場を借りて、長年のご支援・ご協力を賜った、群馬県の皆様に御礼を申し上げたいと思います。誠にありがとうございました。
一般社団法人HLAB サマースクール事業責任者 木口幸祐