栗脇 志郎

HLAB TOKYO 2011 Teaching Fellow
ハーバード大学政治学部博士課程1年

HLABのことを耳にしてから 5年が過ぎようとしている今、自分は政治学の院生を始めているところです。政治学とは、Jane Mansbrigeの表現を借りれば、人間が社会を治める行為の学問です。 “If men were angels, no government would be necessary.”(James Madison, Federalist 51)。安保法制のいわゆる「国民的議論」から空輸される南国の果物の品質管理システムの取り締まりまで、政治学は統治に関わる様々な事象を究明します。自分は特に統計学と心理学を用いて、アメリカの国内世論を可視化することに興味があります。

政治学に辿り着いた自分の興味は、学部生1年生時に始まったHLAB関連の出会いとともに進化してきたものです。HLABのセミナー運営との関わりを通して教えることへの興味を再確認しました。また、HLAB参加高校生との交流、そして彼らの海外大受験の作文の手伝いを通して、文章表現に対する姿勢を強めました。

自分は実行委員としてHLABと関わることはありませんでした。しかし最初の出会いから2年後、思いがけず実行委員のような立場に立つことになりました。HLABから発想を得た石川県小松市の「小松サマースクール」の立ち上げに関わることになったのです。接点は、自分が学生だったプリンストン大学の非営利団体が金沢で主催する総合的日本語学習、Princeton in Ishikawa (PII)。2013年、PIIで学ぶ外国人学生ののホストファミリーを続けてきた光井一惠さんと北濃裕子さんが、PIIとHLABも両方を経験したステファン・フシェの発想と、大宮透、高田修太、山瀬加奈を含む強力な助っ人とともに、サマースクールを石川で開催することを決意しました。

2015年夏、自分は執行委員の一人として小松への関与を深め、小松サマースクールは独自の団体として無事第二回目を終えました。小松では、様々な言語や年代が入り混じるチームの中での意思決定に取り組む、他では得難い機会をもらっています。HLABから始まった経験とその道のりで出会った魅力的な友人は、日々の生活を豊かにしてくれるだけでなく、ともすれば実社会から日常感覚から遠ざかりやすい僕の政治学の研究を、現実により戻してくれています。

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